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港町気仙沼を舞台としたファンタジー小説

安波幻想記

呼び笛伝説 (2015)  

気仙沼大島の伝説【導き地蔵】を土台としたファンタジー

定価1000円(税込み)送料200円別

明治29年(1896年)6月15日、午後7時32分、三陸沖でマグニチュード8.5クラスの大地震が発生します。

気仙沼へは高さ25mクラスの大津波が午後8時過ぎに来襲しました。

そしてこの地震と津波による全体の死者数が2万人を超す大惨事となりました。いわゆる明治三陸大津波のことです。

安波幻想記の初弾【呼び笛伝説】はこの明治三陸大津波をモチーフにその時代の気仙沼を背景として、10歳の少女に襲い掛かる災難と活躍を描くファンタスティックな物語です。

安波幻想記シリーズの安波は気仙沼の代名詞【安波山】の安波を頂戴したもの。

だから本シリーズは気仙沼を舞台とした小説なので、導き地蔵、義経との悲恋の【ミナツルヒメ(皆鶴姫)】、唐桑半島の折石の謂われなど随所にローカルの伝承を織り込んでおります。

ある日の夕方、キララは姉のカンナと共に、ハマキチの小舟に乗って、気仙沼湾に浮かぶ大島から対岸の唐桑半島にある御崎へ向かいます。

昨日はカンナの誕生日、その記念にと、初めて乗る小舟で夜の気仙沼湾へ繰り出すことになったのです。ところが途中で大地震が発生します。

それから間もなく沖から大津波が押し寄せ、ハマキチは必死になって津波をやり過ごそうとしたのですが、キララだけが海に投げ出されてしまいます。

キララの運命は風前のともし火。しかしキララは海底の光る亀裂を通じて、異世界のデニス島へと流されます。

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炎国伝説 (2016)  

人生の落伍者が心機一転、放浪の旅に出る。行く先は気仙沼

定価1000円(税込み)送料200円別

タイトルの炎国は【ほむらこく】と読みます。

安波幻想記シリーズは木曽永介の故郷、気仙沼を舞台とする一連のファンタジー小説。

本書の舞台は、主人公の酒井礼(あや)が活躍する現代の気仙沼、それに蝦夷地の英雄、阿弖流為(あてるい)や征夷大将軍、坂上田村麻呂が活躍した延暦(えんりゃく)時代が加わります。

この二つの世界で同時進行的に物語が進みます。

日本海側の酒田で生まれ育った礼は、幼少のみぎりから一本気な性格、その性格が仇となり、仕事を失い家族にも逃げられてしまいます。

その人生の落伍者が心機一転、放浪の旅に出ます。行き先は太平洋沿岸の気仙沼。

前作の【呼び笛伝説】では、明治三陸大津波をモチーフに10歳の一人の少女キララに襲い掛かる災難と活躍を描く物語でした。

キララは明治三陸大津波を誘発した大地震の影響で異世界の延暦時代へと飛ばされてしまいます。このキララと本書の礼は血の繋がった縁者です。

本書では木曽永介の大好きなキャラクターの一人、修験者のエンノオヅノ(役小角)も再び登場します。

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ケセモイ (2017)  

ファンタジーが5話【 目覚まし、巨釜、パワースポット、亀山、化粧坂】

定価1000円(税込み)送料200円別

第一話 目覚まし

気仙沼では毎朝六時、目覚まし代わりに【恋は水色】のメロディーが流れます。

仙台から旅行に来た恵夜と環の二人は、どうしてこんな悲しい曲(Love is blue)が採用されたのか、地元レストランの綾子から問われます。

そこで恵夜はロミオとジュリエットのような若いカップルの恋の行方を、一方の環は双子の姉妹の話を作り上げます。

年の暮れの夜遅く、まだ幼い未央が雨にずぶ濡れになりながら内湾にある魚屋の戸を叩きます。氷をもらうためです。母親が熱を出して寝込んでいたのです。

そして双子の姉は・・・。

第二話 巨釜

早朝1艘の小舟が御崎の浜を出ました。この小舟には男女一人ずつ乗っていました。

男は13歳になったシャー、そして女はカルコス神殿の新しい神子になったハナンです。

二人は同い年で、ここ御崎で生まれた時からの幼馴染です。行く先は巨釜。果たして・・・。

第三話 パワースポット

寛はまだ薄暗い早朝に仙台市内にある学生寮を出発し、今まで一度も行ったことがなかった宮城県の北の端、気仙沼市を目指します。

途中、金華山を望む牡鹿半島の鮎川へ寄るつもりです。しかし途中で大雨にあって、寛はドライブインで雨宿り。

そして、そこで出会った女性たちから、気仙沼の御崎にあるパワースポットを探してくれるように依頼されますが、・・・。

第四話 亀山

気仙沼湾に浮かぶ大島は、たくさんの動物たちが暮らす平和な島です。

その大島の浦の浜に住むウサギ族のレポは、色白の活発な女の子です。でもみんなより脚が長すぎると悩んでいました。そんなある日・・・。

第五話 化粧坂

春香と光彌の夫婦は会津から遠出して気仙沼へ入ります。

その目的は行方不明となった光彌の弟の光延を探すためです。

光延は二年前にアメリカから帰国すると、そのまま東北地方へ修行僧としての托鉢の旅に出かけました。

そして二年間の修行が終わって、めでたく気仙沼へ戻る筈が戻ってきません。

陸前高田の宿坊には、かすかな手がかりが残されていました。礼と最初に書いてあって、羽黒神社と化粧坂に寄る、との謎の記帳です。それから・・・。

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あんばはん (2018)  

ファンタジーが3話【内湾、安波山、大川】

定価1000円(税込み)送料200円別

氣仙沼人にはお馴染みの名所が随所に登場するエピソード、中編3話。

第一話 内湾

内湾にある貸しボート屋の浮桟橋で、小学生の聖一と一紅の兄妹が父親の栄久雄が乗る漁船の帰りを待っていました。

母親のサツキは病気ですでにこの世にいません。しかしチリ沖から戻る漁船は、三陸沖でエンジントラブルに見まわれます。

さらに気嵐が発生してギリシャ船籍の貨物船と衝突してしまいます。船長の栄久雄は1人だけ海に投げだされて行方不明です。

霊界コンサルタントの北村永介はまだ小学生ですが、この世をさまようサツキの願いを聞き入れます。永介は羽黒神社の霊鳥、2羽の白い大鷲を呼び寄せます。

そしてその大鷹は、太平洋に向かって今羽ばたこうとしています。

第二話 安波山

海軍航空隊の戦闘機乗りの佐吉を夫に持つ栄子は、戦況が厳しくなるにつれて、子供たちを連れ、夫の故郷の気仙沼へ疎開します。

慣れない東北の片田舎。栄子は安波山の中腹にある大杉神社で心の安らぎを保ちます。そんなある日、不思議な老婆が訪れます。

佐吉が戦死したと云うのです。佐吉には一つだけ心残りがあり、それを解消する手立てを伝えに来たのです。

佐吉がこの世にいられるのは四十九日間だけ。あまり猶予がありません。次の日から栄子と末っ子の玲三は大杉神社へ通います。

第三話 大川

大川は気仙沼市の中央を流れる川です。30歳を過ぎた美智には、同級生の町子と志朗が同じ気仙沼に住んでいます。

彼女には中学校時代に幼馴染の修次を大川で亡くした悲しい記憶があります。志朗にも修次の死にまつわるトラウマのような記憶がありました。

志朗は大人になって美智に恋心を抱くようになります。その2人の初めてのデートは、修次の命日に、修次の墓前です。しかしうぶな2人が簡単に結びつくとは思われません。

そんなとき、夜空に散らばる星々の中で、修次の星が輝きました。

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定価1000円(税込み)送料200円別

物語の舞台は宮城県気仙沼市の中心である内湾、時代は懐かしい昭和30年代、子供たちの歓声が街中に溢れ、どんな街にも寿命があるとすればもっとも活力のあった時代、戦争の痛手を受けながらも、人々は懸命に明るく生きている。

第一話:鮮魚の仲買商が軒を並べる早朝のハーモニカ長屋は、少しでも活きの良い魚を仕入れたいと品定めをする老若男女の行商人で溢れていた。

今日は特に旬のイカとカツオの売れ行きが良い。菅家の店主、佳彦は客も少なくなったので、少し遅い朝飯にしようと考えた途端に、見た処20代後半と見られるまだ若い行商の女、充子が独りで店に訪れた。

佳彦は充子に声を掛ける。【見慣れない姉ちゃんだね。失礼だけれどもあんたは行商を始めてまだそんなに日が経っていないと踏んだ】、佳彦の見立ては当たっていた。訳ありの充子はある禁制品を売るために気仙沼を訪れたのだ。

お節介焼きの佳彦は充子を悪の道から救うために奮闘する。

第二話:帝国海軍の飛行兵だった佳彦は35歳の独身、特攻隊員の生き残りだったために心の傷が未だに癒えない。

ある土曜日の夕方、佳彦は幼馴染で妻子持ちの将明を誘って、太田にある小料理屋【里山】に向かう。いつもは佳彦一人、里山で長い夜を過ごすのだが、連れの将明にとって、その里山は口実でしかなく、その後に赤線地帯の信濃屋へ行くつもりだった。

里山には女将の貞子と初顔の真紀がお手伝いとして待っていた。戦災孤児の真紀は初心な18歳、年の差が17もある佳彦と結ばれるためには、と或る奇跡が必要だった。

第三話:大型マグロ船の光洋丸が長い航海を経て内湾に戻ってきた。船員の鉄雄は喜び勇んで家族の待つ居酒屋【樽平】へ戻る筈が、予定より一日遅れで入港したと偽る。

しかし樽平の店主で妻の香澄は夫の鉄雄がすでに内湾に戻ってきていることを知ってしまう。そんな中何食わぬ顔で樽平へ戻ってきた鉄雄を香澄は亭主の浮気だと疑い追い出してしまう。

暮れなずむ港 (2019)  

港町気仙沼を舞台としたラブコメディーが4話

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骨董屋始末 (2020)  

仙台市東一番丁の骨董店が舞台

定価1000円(税込み)送料200円別

舞台は仙台市内の東一番丁にある骨董屋デンデンコロリコ。

この骨董屋の店主は今年で30歳になる独身の熊沢明美だ。

両親が早世し、たった1人の肉親だった兄の博史も5年前に急死し、元々は広告代理店で活躍するOLだった明美は、泣く泣く兄が経営していた骨董屋を引き継ぐ破目に遭う。

広告代理店に勤めていた明美には、人には云えない秘密があった。それは職場内の妻子ある男性との不倫だった。

草葉の陰となった博史は、生前に妹の不倫を知っていて、愚鈍寺の住職である眞道にその始末を相談していた。博史が亡きあと、眞道は秘密裏に動く。

晴れて骨董屋の店主となった明美の元には、骨とう品と共に、骨董品に関わる様々な客が出入りするようになる。

第四話では、旅行先のパリの蚤の市で日本人の老夫婦が買い求めた古伊万里が明美の店に登場する。

遺品となったその壺が遺族の手によって持ち込まれたものだ。その古伊万里は17世紀に佐賀県の伊万里港からヨーロッパへ輸出された品。元々はロマが営む鋳掛屋(いかけや)が、売上金を放り込む壺として利用していた。

古伊万里にも望郷の念があるとすれば、ロマの占い師が手助けしたのかもしれない。

第五話では、ブラジルのリオへ旅行した常連客の正太郎が、エメラルドを現地で買い求め、それをデンデンコロリコへ持ち込む。

本物ならば一千万円はする宝石だ。しかし東南アジアしか旅行しなかった正太郎が、わざわざ地球の裏側のブラジルまで旅行するには、ある特別な訳があった。

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